ここでは、少年野球のピッチャーが球速を上げる投げ方を解説しています。
まず、球速アップを図るには、「腕のしなり」がとても重要になります。
まずは、腕のしなりが大きければ、大きいほど球速が格段に上がることを覚えておきましょう。
そのためには、下半身の使い方から体幹へのスムーズな力の加え方が大切になってきますので、このページで詳しく解説していきます。
球速アップさせる上半身の使い方
腕のしなりが小さいとボールに力を加えることができません。
イメージとしては、弓矢の矢を引くのを想像していただくとわかりやすいと思います。
軽く引くとあまり飛ばず、思いっきり引くと遠くへ飛んでいく感じに近いです。
しなりを生むメカニズムは、少々難しいのでここでは簡略しますが要は、「投球時の肩関節の動き」が重要であると覚えておいてください。
肘の位置
腕のしなりを大きくするには、肘のポジションが重要になってきます。
よく監督、コーチに「肘が下がっている!肘を上げて投げなさい」と言われたことや、聞いたことはないでしょうか?
もちろんケガの原因となる投球フォームなのですが、それ以上に腕のしなりを妨害している投げ方なのです。
理想の肘の位置とは、両肩の高さあたりが目安になり、肩関節を安定して動かせるポジションです。
逆に肘が肩の高さまで上がっていないと腕の可動範囲が小さくなり、その結果球速が上がらないということにつながってしまいます。
ちょっとその前に・・・小学生の肘痛には要注意!
野球をしている子供たちに多い故障の一つである「肘の故障」。
これは、野球の指導がより専門化したため、大人と子供の体の違いを考慮せずに、大人と同じ投げ方をさせてしまうことにが考えられています。
肘を上げ続ける動きを繰り返すと、特に人体付着部が引っ張られ小さく取れてしまいます。(上顆裂離骨折)【じょうかれつりこっせつ】
詳しくは「小学生の野球肘」をご覧ください。
球速を上げる下半身の使い方
次に重要なピッチャーにおける下半身の使い方についてお話します。
球速を上げるには、下半身の動きが重要になるのは聞いたことがあると思います。
ただやみくもに、走り込みをして下半身を強くするだけでは、スピードボールは投げられません。
どうやって下半身をうまく使うのか?
これは、いろいろと論議がわかれる部分でもあります。
ここでは、わかりやすく力のメカニズムを考えたうえでの、下半身の使い方を観点に解説していきたいと思います。
まずよく言う「突っ込む」投げ方ですとボールに力が加わらず、下半身で作り出したパワーが上半身へ伝わらなくなり球速が上がりません。
テイクバックから足が着地するまで(これをコッキングといいます)に「外転」という動作を使って力をためると下半身のパワーがスムーズ体幹に伝わり上半身へと移されます。
150キロ投げるピッチャーと120キロを投げるピッチャーの違いとは?
投球フォームが速く一見粘りのある投球フォームに見えませんが、スローで見るとかなりのためを作って我慢して投げているのがわかります。
ちょっとわかりずらいと思うので、150キロを投げる投手と120キロを投げる投手の違いで簡単に比較したいと思います。
まず、150キロを投げる投手を、正面から見るととてもわかりやすいです。
バッターの方に踏み込んだ時に上半身は、なかなか正面を向かずに捻りと粘りがあります。
逆に120キロ台の投手は、もともとの捻りが弱いうえ、すぐにに解放され力強い投球フォームが作れません(力感のないフォーム)。
下半身の粘りを作るには、軸足を大きく外転させ(反対方向の力)体幹が軸足方向に捻転しなければいけません。
そして踏み込み動作に入ると、体重を前に移しながら軸足を内側から回転させることによって体を開くのを防ぎます。
ちょっと難しいですね・・・
簡単に言うと、バッターに向かって踏み込んでいくときに「粘って、粘って、まだ、まだ・・・・」と力をできる限りためて内側から体重移動しながら一気に力を解放させるイメージです。
まとめ
投げ方のメカニズムを掘り下げていくと、だんだんと話が小難しくなって、よくわからなくなるので球速アップについてはここまでとします。
ちょっと難しかったと思いますが、球速アップの秘訣は一言で言ってしまえば「力感のある投球フォーム」です。
ダラ~っとした楽な投げ方では、速いボールは投げれません。
粘って粘って、我慢して貯めたパワーを一気に解放させることで力のあるボールが投げられるわけです。
そのためには、しっかりとした下半身の強化と、スムーズに力を上半身に移す体幹の強化が重要になってきます。
ピッチャーは決して楽なポジションではありません。
まずは、力を貯めながら早く開くのを防ぎ我慢して投げる良い投げ方を身につけていきましょう。
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